はじめに
「あなたは何を大切にして子どもと向き合っていますか?」
そんな問いかけから始まった、指導哲学セミナー。
ただの“価値観探し”ではなく、これまでの自分自身の歩みをたどり、現在の関係性の中で「自分はどんな教師でありたいか」を見つめ直す時間になりました。
関係性のなかにこそ“自分”がいる
セミナーでは、自分の価値を見つめるカードワークや、自分史を紐解くジャーナル作成などを通して、あらためて「個人とは何か」を問い直しました。
社会構成主義の視点では、私たちの考えや価値観は“誰か”との関係性の中で形づくられていきます。つまり、自分の思考や哲学もまた、他者との対話や経験の中で育まれてきたもの。
その前提を踏まえるからこそ、「私は何を大切にする人間なのか」という自覚が、関係性を築くうえでの土台になるのです。
関係性を築くには、自分が立っていなければならない
日本的な“関係性重視”には、しばしば「自分を抑えて相手を立てる」という美徳が含まれます。
しかし、今回のセミナーを通して見えてきたのは、“自分を消してまで関係性をつくる”のではなく、“自分をしっかり持った上で関係性を築く”という姿勢です。
たくさんの人の中にいても、自分の軸を忘れない。
それが、多様性や対話を本当に豊かなものにする第一歩だと感じました。
経験を振り返り、“今ここ”の自分を言葉にする
セミナー終盤では、私自身の就職活動や進路選択の経験も振り返る機会がありました。
なぜ企業を辞退して教員を選んだのか。どんな迷いがあり、どんな決断をしてきたのか──。
一つひとつの選択が今の自分の哲学にどうつながっているのかを言葉にすることで、「私はこうありたい」と自覚できたのです。
おわりに
関係性を大切にする教育を実現するには、まず自分が何を大事にしたいのかを明確にする必要があります。
自分自身の指導哲学を言語化し、それを土台に子どもたちと関わる。
それが、ぶれない実践、そして深い学びの根幹になるのではないかと思います。
これからも、子どもたちと対話する自分が、「何を大切にする教師なのか」を問い続けていきたい──
そう感じた、深い一日でした。
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