近未来の通知表を考える

目次

はじめに

学校において「通知表」は、子どもや保護者にとって最も大きなインパクトを与えるもののひとつです。学期末に渡されるその1枚に、子どもたちの日々の努力や成長が凝縮され、親子の会話が生まれ、時には子ども自身の自己評価にも大きく影響します。
もし、この通知表のあり方を根本から見直すことができたなら、教育そのものに大きな変革をもたらすのではないでしょうか。

通知表をめぐる現状と課題

近年、通知表を廃止する学校も出てきています。
従来のように「数字や記号」で評価する方法は、子どもたちの多様な学びや成長を十分に反映できないという課題があるからです。「よくできた・もう少し」といった簡易的な表現では、子どもたちがどのように取り組み、何を大切にしているのかを正確に伝えることはできません。
学びの過程をどう評価し、どう残していくかが今大きな問いになっています。

ポートフォリオという新しい形

注目されているのが「ポートフォリオ型評価」です。
子どもたちが書いた文章や作品をそのまま残し、記録として積み重ねていく方法です。
記号だけでなく、取り組みの痕跡が可視化される点は従来型に比べて大きな前進です。しかし、ポートフォリオだけでは「振り返りの深さ」や「成長の方向性」が十分に見えないという課題もあります。保護者が見ても「よく頑張ったね」と感じるだけで終わってしまう場合も多く、より具体的なフィードバックが求められます。

データ利活用とAIが開く可能性

ここでカギとなるのが、データとAIの活用です。
子どもたちが書いた作文や感想文などの文字データをAIで分析すれば、文章の傾向や成長の推移を可視化することができます。テスト結果やパフォーマンス評価と組み合わせて、グラフやコメントとしてフィードバックすれば、保護者や子ども自身にとって「次につながる通知表」になるでしょう。
従来の数値評価、ポートフォリオ、そしてAI分析を融合させた複合的な通知表が、近未来のスタンダードになるのではないかと考えます。

おわりに

通知表は単なる評価のツールではなく、子どもと教師、家庭をつなぐコミュニケーションの装置です。
数値で終わるのではなく、ポートフォリオで止まるのでもなく、AIを活用して新しい形を模索すること。その挑戦が教育の未来を変えていく大きな一歩になるはずです。みなさんは、もし通知表が進化するとしたら、どんな姿を描きますか?

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