はじめに
先日、平方で行われた研修会で道徳の模擬授業を行いました。
「吹き出し君」というツールを使い、先生方からリアルタイムで意見を集めながら授業を進める形です。
約100名の先生方から得られた反応の中に、改めて考えさせられる課題がありました。
「1%の希望」が示したもの
授業では、義足のパラリンピアン・佐藤真海さんの教材を扱いました。
「すべてを失った」と感じる絶望の瞬間に、なぜ彼女は前を向けたのか。
心情メーターで気持ちを数値化すると、ほとんどの先生が“100(絶望)”を選びました。
ところが、中には“99”や“98”を選ぶ人も。
この“1〜2%の余白”こそ、人の中にある「よりよく生きようとする力」だと感じました。
「狙いに迫る」ことへの誤解
授業後のコメントには「テーマに迫れていないのでは?」という意見もありました。
しかし、道徳の授業は“合意形成”を目的としたものではありません。
一つの正解にたどり着くのではなく、
それぞれの子どもが“自分の中での気づき”を持ち帰ることこそが目的なのです。
「個人が学びを落とす」授業へ
友情や親切、よりよく生きる――こうしたテーマを扱うとき、
全員が同じ結論にたどり着く必要はありません。
一人ひとりが「自分にとって大切にしたいこと」を見つけ、
それを言葉にする時間こそが、道徳の本質的な学びです。
おわりに
道徳の授業は「テーマを深掘りする場」ではなく、
「自分の価値観と向き合う場」であるという原点を再確認しました。
これからも、子どもたちが“よりよく生きよう”とする気持ちを引き出せる授業を目指していきます。
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