道徳授業の基礎基本を、今一度考える

目次

はじめに

道徳授業の“スタイル”や“教材”を更新する前に、
まず立ち返りたいのが「基礎基本」です。

私たちは今、道徳の授業に何を大切にしているのか。
そして、その基本は現場で本当に機能しているのか。

そんな問いを、改めて見つめ直す時間を持ってみませんか?

道徳授業の基本的な構成

道徳の授業は、以下のような流れで構成されます。

1:導入発問(見方・考え方を意識させる)
2:教材の提示・共有
3:自由な意見交流 → 議論の種が生まれる
4:教師の切り返し発言や補助発問で深める
5:中心発問でねらいに迫る
6:終末発問で“自分ごと”として考える

この一連の流れの中に、
子どもたちの道徳的価値への気づきと深まりが生まれていきます。

「見方・考え方」をもって教材と出会う

たとえば「美しいもの」というテーマであれば、
教材を読む前に「美しさって何だろう?」という問いを立てておく。

このように、“どのような視点で教材と出会ってほしいか”を
導入の発問に込めることで、子どもの感じ方や読み取りが変わってきます。

自由な意見の中に、「種」はある

授業中、子どもたちは自由に意見を出します。
そこに現れるのが、議論を深めるための“種”。

教師はその種を拾い、
・問いを立てる
・補助発問を加える
・切り返しの言葉で思考を押し広げる

ことで、子どもたちを「深い学び」へと誘導していきます。

すべての子どもが自由に語っても、
時間は限られています。授業は45分しかありません。

だからこそ、教師の側には「ねらいに迫るための問い返し」や
「願いを込めた視点」が必要になります。

これは子どもの意見を操作するという意味ではなく、
より深く、価値に触れるための“ガイド”のようなものです。

自作教材・現代的課題へ挑む前に

近年は、自作教材や現代的なテーマを取り入れた授業も増えています。
とても大切な取り組みですが──

基礎基本があってこそ、挑戦が活きる。

授業構造が不安定なままでは、どれだけ魅力的な教材を使っても、
子どもの思考が深まらず、議論が空回りしてしまうことも。

道徳授業を支える“土台”を、点検しよう

道徳授業の基礎基本は、現場によって少しずつ違うかもしれません。
でも、だからこそ今一度、自分自身の授業の土台を見直してみる。

・見方・考え方を意識できているか
・子どもの声をどう拾い、深めているか
・自分ごととして考える終末になっているか

その一つひとつを、丁寧に積み直していきたい。
そんなことを考えさせられる時間でした。

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