はじめに
日常の会話の中で、相手が何を求めているのか、どう考えているのか。
それを掴むことができたら、コミュニケーションの質は大きく変わります。
今回は、雑談や面談などの場面で「価値観」に注目して対話することの大切さについてお話しします。
相手の“価値観”に耳を澄ませる
日々のちょっとした雑談の中にも、
相手が大切にしている「価値」が見え隠れしています。
たとえば──
・数字や条件に敏感な人は「成果・報酬」に価値を置いているかもしれない
・「家族との時間が大事」と言う人は「生活の安定」を求めている可能性がある
・「新しいことに挑戦したい」という人は「成長や経験」を重視していることが多い
こうした価値観を意識しながら会話を聞くと、
ただの世間話のような雑談にも、深い情報が含まれていると気づけます。
会話の“ズレ”を防ぐには
一方で、こちらが話したいことと相手が聞きたいことにズレがあると、
コミュニケーションは噛み合わなくなります。
たとえば、保護者との面談で「学力」を気にしている方に、
こちらが「友人関係」の話ばかりしてしまうと、温度差が生まれてしまいます。
そんなときはまず、相手が話したい内容をしっかり受け止める。
そのうえで、自分が伝えたい内容を丁寧に切り出すことで、
自然な対話の流れがつくれます。
雑談こそ“信頼構築”のチャンス
面接や保護者対応、職場の同僚との会話など、
一見雑談のようなやりとりの中にこそ、信頼を築く鍵があります。
相手が話している内容の奥にある「背景」を感じ取り、
そこに寄り添った対話をすることで、
「わかってくれている」という安心感につながっていきます。
コミュニケーションの“質”は、雑談で決まる。
そんな意識をもって臨むことで、対話の場が大きく変わっていきます。
おわりに
雑談は、ただの時間つぶしではありません。
相手を知り、自分を伝え、信頼を育てる“本気の場”にもなり得ます。
だからこそ、目の前の会話を大切にすること。
そして、その奥にある「価値観」に耳を澄ませること。
それが、教育現場でも、職場でも、
より良い関係性を築くための第一歩になるのではないでしょうか。
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