学力はだれのもの?──新しい学力観への視点

目次

はじめに

「学力は、だれのものか?」

一見、個人の問題のように見えるこの問いですが、
今の社会や学校、そしてこれからの学びを考える上で、
とても本質的なテーマだと感じています。

学力のイメージは、まだ“個人のもの”?

試験を受けるのは一人。
点数がつくのも、合格発表を受けるのも一人。

だから「学力=個人に属するもの」と捉えられがちです。
けれど、たとえば話し合い活動の中で出てきた意見は、
本当に“その人だけのもの”でしょうか?

意見は“生まれるもの”──関係性の中から

誰かの発言に影響を受けたり、対話の中で考えが整理されたり。
私たちは、いつも「関係性」の中で意見を形成しています。

漢字の学習であっても、
目の前の教材、教えてくれる先生、共に学ぶ仲間の存在があってこそ、
知識として“獲得できた”と言えるのではないでしょうか。

「知識を覚える」から「知識を生み出す」へ

これまでの学力観は、どこか
「もともとある知識を取りに行くもの」
という前提があったように思います。

でもこれからは、学びの場そのものが、知識を“生み出す”場になる
それが“新しい学力観”への転換の一つの視点です。

関係性の中で育まれる力

教育社会学者ダニエル・キム氏の理論でも、
チームやコミュニティの成功の鍵は「関係性の質」とされています。

信頼し合える関係性の中では、個人のパフォーマンスも高まり、
“学力”もよりよく発揮されるという循環
が生まれます。

また、関係性は、目の前の人との間だけではありません。
先人が残した書籍や記録、知識そのものともつながっています。

過去から受け継ぎ、今の仲間とともに育み、
未来へつなげていく。
そんな視点から学力を捉えることが、
これからの教育に必要なのではないでしょうか。

学力は、「個人のもの」だけではない

私たちが学びを深めるとき、
そこには必ず他者の存在があります。

その学力は、誰のものなのか。
本当に“一人だけの力”と言えるのか。

AIが台頭し、人とのつながり方も変わっていく社会だからこそ、
この問いを見つめ直していく必要があると感じています。

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