教師3年目の7月。
私は、1学期最後の1週間で子どもたちとの信頼を崩してしまったことがあります。
通知表の所見を書かなきゃ。
成績処理も終わらない。
個人面談の準備もある。
毎日やることに追われ、教室にいても子どもの顔を見る余裕がなくなっていました。
朝、教室へ入るときの「おはよう」がどこか事務的になり、休み時間に話しかけてくる子にも、「あとでね」と返すことが増えていました。
その頃の私は、「仕事を終わらせること」で頭がいっぱいだったのです。
子どもは、先生の変化に気づいている
7月に入ると、教室が少しずつざわつき始めました。
「なんでだろう」と思っていたある日、一人の子がこう言いました。
「先生、最近怒ってばっかり。」
その一言に、頭が真っ白になりました。
私は怒っているつもりはありませんでした。
でも、余裕がなくなったことで、子どもへの声かけは減り、注意する言葉だけが増えていたのです。
子どもたちは、そんな先生の変化をちゃんと感じ取っていました。
最後に残るのは、先生の空気
終業式の日。
一人の女の子が、小さな声で聞いてきました。
「先生、2学期も先生だよね?」
その表情を見た瞬間、「不安にさせてしまったんだ」と気づきました。
夏休みの間、何度も1学期を振り返りました。
最後に子どもたちの心に残ったのは、テストの点数でも、通知表の所見でもありません。
「先生の空気が変わった」という記憶だったのです。
そして迎えた2学期。
予想どおり、子どもたちとの距離は簡単には戻りませんでした。
だから今は、1学期の終わりこそ「信頼を残す」と決めています。
まとめ
7月は、教師にとって一年で最も忙しい時期の一つです。
だからこそ、「仕事を終わらせること」だけで終わらせないようにしています。
やることを少し減らしてでも、子どもの名前を呼ぶ。
一日一回、「頑張っていたね」と伝える。
それだけで教室の空気は変わります。
1学期の終わり方は、2学期の始まり方につながっています。
忙しい今だからこそ、子どもたちに残したいのは「終わった仕事」ではなく、「安心して夏休みに入れた」という記憶。
あの年の失敗が、今の私に教えてくれた一番大切なことです。


