若手の頃、保護者面談で大失敗したことがあります。
その子は授業中にふざけてしまうことが多く、周りの子にちょっかいを出すこともありました。
私はそれを「ちゃんと伝えなきゃ」と思っていました。
そして面談が始まってすぐ、
「最近、授業中に少し落ち着かないことがありまして」
と切り出しました。
その瞬間、お母さんの表情が止まりました。
そのあとの話は、何を言っても返事が短くなっていきました。
「そうですか」
「はい」
「気をつけます」
面談が終わった後、なんとも言えない重さが残りました。
最初に伝えるべきだったこと
その日の夜、ベテランの先生に相談しました。
すると、こう言われました。
「面談の最初に、がんばっていることを1つ伝えてみな。大きな成果じゃなくていいんだよ」
次の面談で試してみました。
「○○くん、最近給食の片づけを自分からやってくれるんです」
すると、お母さんの表情が明るくなりました。
「え、そうなんですか。家では言わないから分からなくて」
そのあと気になっていることを伝えたときも、受け取り方がまったく違いました。
「家でも気をつけてみますね」
と、前向きな言葉が返ってきたのです。
変えたのは、伝える順番だけ
伝えた内容は、大きく変えていません。
変えたのは、順番だけです。
最初に、
「この先生は、うちの子をちゃんと見てくれている」
と伝わると、そのあとの課題も受け取ってもらいやすくなります。
保護者にとって、子どもの課題を聞くことは簡単ではありません。
だからこそ、まずはその子の良さや頑張りを一つ共有する。
それが、信頼の土台になります。
まとめ
保護者面談は、「何を伝えるか」だけでなく、「どの順番で伝えるか」が大切です。
明日からできることは一つ。
面談の最初に、その子のがんばっていることを一つ伝えてみてください。
給食の片づけでも、友だちへの声かけでも、ノートの丁寧さでも構いません。
「見てもらえている」と伝わったとき、保護者との対話は変わります。
あの失敗があったからこそ、今でも私は、課題より先にその子の良さを伝えるようにしています。


